賃金退職金制度構築
賃金制度は、月額賃金、賞与、退職金の制度に区分され、単体のみでは機能せず、全体を見る必要があります。その影響度を把握した上で、個別の設計に入っていきます。
月額賃金制度
月額賃金には、通常、基本給とその他手当が存在します。手当は意味づけが比較的簡単にできるため、新規追加、廃止が簡単に見える分、似たような複数の手当が存在し、扱いに困るケースも見受けられます。特に、配偶者手当、固定残業手当の定義を再度見直す時期が来ていると言ってもよいでしょう。
賞与制度
賞与制度は比較的改革に手を付けやすい分野と言えます。業績等の判断から賃金制度に連動した考え方を整理する必要があります。
退職金制度
中小企業では何年かに一度の退職金支給にて、業績が大きく揺らぐケースがあり、そのことを認識しておく必要があります。
また、退職金制度は、定年制度と深く関連します。高齢化社会において年金支給年齢、在職老齢年金の情報についても敏感になっておく必要があります。特に長年企業に勤めていた方は、企業から離れた場合の税務、保険制度、年金制度に不安を覚えることが多いため、企業の人事総務において支援することもあります。
定年・継続雇用制度
定年延長や廃止、継続雇用制度の変更は、手を付ける前に全体の賃金制度の中で整理をする必要があります。特に無期転換権が発生した2018年4月以降は、取り扱う従業員のパターンがおのずと増えています。パターンごとに、労働条件や適用される就業規則を事前に定義をし、定年や契約満了のルールの概要を決めて、必要があれば無期転換権の発生しないよう申請手続きを行っておくべきです。