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ハラスメント対応でどう対応すればいいかわからない

~時代は取締法から措置義務と契約内容へ~

セクシュアルハラスメント、育児介護制度利用に関するハラスメントに続き、2020年~2022年にパワーハラスメント防止の措置義務が課されました。ハラスメント行為を禁止するための初期の研修を過ぎ、本当の意味での仕事とはなにか、職場でのハラスメントとはなにかを問う時代に入ってきています。相談窓口に寄せられる内容から、こんなにいろいろなモノの見方に付き合わなくてはならないのかと愕然とする企業のご担当者や役員の方が多いのではないでしょうか。企業の価値観というものを言葉で形成していく必要性を感じます。

東京都の条例制定を皮切りに、2025年にはカスタマーハラスメントが法制化されそうです。もはや「職場でハラスメント行為者を出さない」という視点ではなく、「ハラスメントがない社会とは」という視点で企業も関わる人も考える時代になったと言えます。
「何をしてはいけないか」ではなく、「それぞれの頭で考えどうするべきか」で労務を考える時代ともいえます。それには、何を定義し、何を伝えるか、何を契約するかという前提をしっかり設計・実行することになると考えています。

70歳までの継続雇用制度の設計

企業の雇用義務が60歳から65歳に延び、70歳までは努力義務となっています。定年自体は60歳以上であれば法令上の問題はありませんが、60歳以降の採用をする企業で70歳までの雇用を考えたとき、定年が60歳のままでは、無期転換権との関係で制度が複雑になってしまいます。
また、高齢の方により長く働いてもらうことを考えるならば、健康経営の観点からも施策を整理する必要があります。企業の業務や社風に応じて、どのような内容が合っているのか検討します。

長時間労働・頑張りすぎ・評価・ストレスチェック

2019年施行の働き方改革推進法は2024年に猶予企業・事業にも施行され、時間外・休日労働の規制は一通り導入が完了しています。加えて兼業副業を推進されており、認めたはいいものの、かえって長時間労働になるリスクを感じている企業もあることと思います。それに対し兼業副業は通算するときの計算ロジックが複雑すぎるため、政府では通算をなくす検討もされています。

兼業副業が増え、また長時間労働どころか所定労働時間までで業務を行うように言われた労働者の意識はどうなるでしょうか。自身で働きすぎを抑制するならば、「100%ではなく合格点を目指す」「効率よく一定の効果をあげる」という思考になるのではないでしょうか。とすると、企業の評価基準のなかで「一生懸命責任感をもってことにあたる」「職場で協力する」など曖昧なものは、そういった思考に合わなくなってくると思われます。
また、ゴールがわかりにくいと、さぼるどころか、逆に頑張りすぎる方も多く見られます。何を目指すか曖昧な場合には、ストレスを感じやすいこともわかっています。特に兼業副業で、複数の事業主から指揮命令を受けるとなると、その優先順位を自身で判断して従事し結果を出していくしかないのです。

働かせ方と、過程と結果、何を目指してほしいのか、評価の方向性は合っているか、徐々に人事の機能が変わってきています。

均等均衡待遇への対応

昨今の最低賃金の伸びの方が大きく、賃金アップの方が目立ちますが、パート・有期労働者の均等均衡待遇義務は企業規模にかかわらず義務化されています。法令の定義に合わせようとすると難解になりますが、同一労働同一賃金と呼ばれているところからも、何に同一価値をおき、処遇をどうするのか企業がまずは考え、それを発信しないといけません。少しずつ手当を手直しして、、、という対応で、人不足の環境において間に合うのか、検討が必要です。

不妊治療と仕事の両立支援

不妊治療により仕事を断念する方がいらっしゃいます。国は、働きながら不妊治療を受ける従業員へのご理解を企業に求めていますが、企業で運用する際には制度として設計する必要があります。不妊治療の理解から、どこまで企業で対応できるのか、どのような制度にするのかのお手伝いをします。