労働保険事務組合とは

労働保険事務組合とは、事業主の委託を受けて、事業主が行うべき労働保険の事務を処理することについて、厚生労働大臣の認可を受けた中小企業主の団体のことです。労働保険事務組合は、中小事業主の事務負担を軽減し、労働保険の適用促進及び適正な労働保険料の徴収の確保を図ることを目的として設けられました。
労働保険事務組合では、事業主の皆様の委託を受けて、労働保険の事務処理を行います。

1.労働保険とは

以下の図の、赤い部分を指します。

労災保険とは・・・
労働者災害補償保険法により、労働者の業務上の事由または通勤による負傷、疾病、障害、死亡に対して必要な給付を行うものです。
雇用保険とは・・・
雇用保険法により、労働者が失業した場合および労働者についての雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、再就職を促進するために必要な給付を行うものです。また、雇用の継続のために、高齢者、育児休業者、介護休業者に対しても必要な給付を行っています。

2.委託できる事務の範囲

(1) 保険関係成立届、雇用保険適用事業所設置届の提出等に関する事務
(2) 労災保険の特別加入の申請等に関する事務
(3) 雇用保険の被保険者の資格取得・喪失等の届出に関する事務
(4) 労働保険料の申告および納付に関する事務
(5) その他労働保険についての申請、届出、報告等に関する事務

ただし、労災保険および雇用保険の保険給付の請求等に関する事務は、除かれます。

3.委託するメリット

  1. 事業主に代わって事務手続きを行いますので、煩わしい事務の手間が省け、本来業務に専念できます。
  2. 事業主(共同経営者)や家族従事者なども労災保険に特別加入できます。(労働保険事務組合に委託しないと、加入はできません)
  3. 労働保険料を分納できます。

4.特別加入とは

労災保険は、本来、被災労働者や遺族に対して保険給付を行う制度ですが、労働者以外でも、業務の実情、災害の発生状況などからみて、特に労働者に準じて保護することが適当であると認められる一定の方には加入が認められます。そのうち、当事務所が取り扱うのは中小企業事業主等の特別加入制度です。
特別加入の業務上災害(補償の対象となる範囲)は、厚生労働省「特別加入制度のしおり(中小事業主等用)」にて確認することができます。すべての負傷・疾病等ではないことに注意が必要です。