法律事務所においては、個人事務所の場合も法人事務所の場合も、労働者がいる場合は労働保険(労災保険・雇用保険)の扱いは変わりません。 労働者が1人でも雇用される事業は強制適用になります。
しかし、労災保険と雇用保険では、適用となる労働者の条件には違いがあります。
対象となる労働者 |
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労災保険
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正社員、アルバイト、パートタイマー、日雇労働者、外国人労働者(不法就労を含む)など、雇用形態のいかんを問わず事業主との間に使用従属関係を有し、賃金を支払われる者。 家族(同居の親族)は原則として対象外※。 |
雇用保険
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適用事業所に雇用される者は、被保険者になります。しかし、パートタイマー・アルバイト等である者は、その者の労働時間、賃金その他の労働条件が就業規則・雇用契約書等に明確に定められる場合であって、次の条件のいずれにも該当する場合は被保険者になります。 ①1週間の所定労働時間20時間以上。 【主な適用除外者】 |
※同居の親族は、労働者として保険加入できる場合があります。お問い合わせください。
【罰則等】
■労災保険■
適用の手続きをしておらず災害が起こった場合、従業員になされた労災給付費用の全部または一部が事業主から徴収されます。(労働者災害補償保険法 第31条)
第31条 政府は、次の各号のいずれかに該当する事故について保険給付を行つたときは、厚生労働省令で定めるところにより、業務災害に関する保険給付にあつては労働基準法の規定による災害補償の価額の限度で、通勤災害に関する保険給付にあつては通勤災害を業務災害とみなした場合に支給されるべき業務災害に関する保険給付に相当する同法の規定による災害補償の価額の限度で、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができる。
1.事業主が故意又は重大な過失により徴収法第4条の2第1項の規定による届出であつてこの保険に係る保険関係の成立に係るものをしていない期間(政府が当該事業について徴収法第15条第3項の規定による決定をしたときは、その決定後の期間を除く。)中に生じた事故
2.事業主が徴収法第10条第2項第1号の一般保険料を納付しない期間(徴収法第27条第2項の督促状に指定する期限後の期間に限る。)中に生じた事故
3.事業主が故意又は重大な過失により生じさせた業務災害の原因である事故
■雇用保険■
雇用保険の規定により違反して届出をせず、又は偽りの届出をした場合、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。(雇用保険法 第83条)
第83条 事業主が次の各号のいずれかに該当するときは、6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
1.第7条の規定に違反して届出をせず、又は偽りの届出をした場合
2.第73条の規定に違反した場合
3.第76条第1項の規定による命令に違反して報告をせず、若しくは偽りの報告をし、又は文書を提出せず、若しくは偽りの記載をした文書を提出した場合
4.第76条第3項(同条第4項において準用する場合を含む。)の規定に違反して証明書の交付を拒んだ場合
5.第79条第1項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは偽りの陳述をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合
平成29年時点の情報です